ハラール認証権限は誰に与えられるか

 

 いかなる個々のムスリム、イスラ-ム組織や団体でもハラール認証書を発行することは可能ですが、それがその国の政府などに公的に、あるいはムスリム消費者大衆一般に受け入れられるかどうかは、そのような認証書をハラール判断の手段として採用し、利用・活用しようとする輸入国の政府やムスリムコミュニティ(共同体)次第です。

例えば、マレーシアやインドネシアへ輸出される製品にハラール認証書を発給する場合、そのハラール認証書を発給する団体は、それぞれの国の公認団体リスト(名簿)に登録されている必要があります。米国では40以上の組織・団体がハラール認証書を発行していますが、インドネシアの準国家機関MUIの承認を受けているのはわずか5団体にすぎませんし、マレーシアの国家機関JAKIMの承認を受けているのは16団体しかありません。

食品関係の企業は、それぞれの輸出相手国で、自社の製品がハラール製品として認められるのに必要な要件やハラールの原理原則を理解し実践することが必要であるばかりでなく、どの認証団体(組織)が自社のビジネスニーズに合致し、役立つものなのか、そして輸出先国に受け入れられている(承認されている、公認団体リストに登録されている)かを確認する必要があります。先に、「ハラール(Halal)とは」の項でも述べたように、ハラールスタンダード(認定基準)はイスラーム世界で統一されたものはなく、国や学派、宗派によって差異が存在します。A国で受け入れられた認証書がB国では拒絶されるケースも少なくありませんので事前の調査はたいへん大切です。

マレーシアとインドネシア、シンガポールは、ハラール認証団体を認可・承認するそれぞれ独自の公式プログラムをもっており、その他のイスラーム諸国、たとえばサウジアラビア、クウェート、UAE、エジプト、バーレーン、パキスタン、バングラデシュなどでも、特定の製品あるいは特定の目的のためにハラール認証団体の登録・公認を行っています。

なお繰り返しの説明になりますが、ハラール、ハラームの判断の法源となっているイスラーム法(シャリーア)の解釈は、イスラーム世界の各地に在住する特定少数のイスラーム法学者(ウラーマ)のみが行いますが、法学者の属する国や地域、学派、宗派、使用言語などによってそれぞれ微妙に解釈が異なり、イスラーム世界全体で統一された解釈といったものはありません。従ってハラールの法解釈に関しても、国や学派あるいは宗派により差異があります。 それに加えて、それぞれの国益や既得権益、、国情などが絡み合い、ハラール認証システム統合(一本化)への道のりはまだ遠いというのが現状です。

ハラール認証に関して比較的により大きな影響力を持っており、注目されているのは次のような組織です。

 

・Jabatan Kemajuan Islam Malaysia(JAKIM),  Malaysia  ジャキム

・Majelis Ulama Indonesia(MUI),  Indonesia        ムイ

・Majlis Ugama Islam Singapura(MUIS),  Singapore     ムイス

・Muslim World League(MWL),  Saudi Arabia       ラービタ